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圧力検査中の Beolit 17

品質検査

限界への挑戦

Bang & Olufsen の「拷問室」へようこそ。万全の品質を実現するため、担当者たちはここで日夜製品を破壊し続けます。

デンマーク、ストルーアでの検査日誌

ストロボスコープの青い閃光が、巨大なスピーカーに括りつけられたプリント回路基板を照らします。周波数が上がり、スピーカーがスライドホイッスルのような音を立てます。周波数がプリント回路の共振点に達した時、一つの音が次第に大きくなり、様々な色の電線が蛇使いに操られるかのように動き出します。 その背後では、梱包されたテレビがアウトバーンの特に凸凹がひどい路面の揺れを再現する「プレーリーワゴン (幌馬車)」と呼ばれる機械に載せられ、ガチャガチャと音を立てているのが聞こえます。 ここストルーアの Bang & Olufsen 信頼性評価研究所には、社員の間で「拷問室」と呼ばれる作業室が地下に並んでいます。ここで回路基板からリモコンやヘッドフォンに至るまで、すべての製品と部品が厳正に検査され、信頼性、品質、耐久性が保証されます。完璧に作り上げられたデザインのオブジェを打ち付け、キズつけ、さらにはたばこの煙や極端な温度変化に晒し、長期間の使用に耐えることを確認する場所です。 ストロボスコープを支える Peter Loff は、1996年から Bang & Olufsen に勤続する信頼評価検査技師です。赤と青のチェック柄のシャツにジーンズを身に着けた彼は、実験用ゴーグルをかけた狂気の科学者には見えませんが、その基本職務は調査と破壊にあります。電気回路をストロボスコープで照らし、接着剤やネジで固定する必要がある不安定な部品を見つけ出します。これは最終製品が具体的な形になる前に実施される製品テストです。 Peter の案内で無数の機器や加熱炉、チャンバー、作業台を見て回りました。テーブルの上に並べられたハンドクリーム、安売りのアンモニア性洗剤、人工汗液 (塩と酢酸の混合液) が入ったディスペンサーは、スピーカー表面の耐性検査用です。砂まみれの小さな鉛の分銅は、プラスチックやアルミカバーの摩擦試験に使用します。湿度93% の「亜熱帯チャンバー」では、42日間に亘る腐食検査を実施します。また、スピーカーキャビネットを4日間キセノンランプの下に置き、強烈な日差しの影響を調査します

極限を追究した完成度

最も苛酷な検査は、HALT (Highly Accelerated Life Test:高加速寿命試験) です。HALT は、キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』に出てくる知覚的コンピュータのようであり、その用途には恐ろし気な面もあります。HALT は Qualmark Typhoon 3.0 チャンバーを使って実施されます。これは自動車メーカーや軍事産業が好んで使用する機器であり、この中で製品は限界ギリギリまで振動や極端な温度に晒されます。 音響エンジニアの Jens Hjorth Drejer が試作品のスピーカーにドリルで穴をあけ、検査中の温度制御が可能なように温度計や配線を取り付けます。小型スピーカーからはデンマークのハードロックバンド Volbeat が演奏する「A Warrior’s Call (戦士の雄叫び)」が大音量で流れていますが、Typhoon チャンバーの七重強化ガラスの向こう側で静かに座っているように見えます。チャンバーのドアをしっかりと閉め、象の鼻のような管でチャンバーに窒素を送り込みます。大音量はチャンバー内に閉じ込められますが、内部温度の低下による様々な変化は、コンピュータ画面で測定されていきます。HALT はまさに最先端テクノロジーであり、測定範囲は-100℃から200℃まで、1分以内に70℃の温度切替が可能です。また、振動サイクルさえ開始しなければ、クリスマスパーティー用のシュナップスやビールを冷やすのにももってこいです。

「私たちは、デザイナーやエンジニアと密接な関係を保ち、最終版の作成前にこれらのテストを必ず開始できるようにしています。弱点はできるだけ早く見つけ出した方が良いからです。」

Peter Loff

Bang & Olufsen の検査技師

古いコンピュータに接続されたヘッドフォン

納得いくまで破壊する

「製品の仕様を超える必要があります」と HALT テストを担当する信頼性評価技師の Turi Bach Roslund は述べています。「仕様範囲内で満足していたら、設計の余地を残さないため、ヘッドフォンやスピーカーが磨耗するリスクがあります。」 同僚が何カ月も何年もかけて作り上げたクラフトマンシップと綿密なデザインの製品にドリルで穴をあけ、分解し、痛めつける気分はどんなものなのでしょうか。 Turi によれば、「検査にはエンジニアが同席します。エラーが発見されると私達は小躍りして喜びますが、会心の作を破壊されたエンジニアたちはがっかりした表情を浮かべます。お客様の手に届く前に問題を見つけられることは、私達の喜びです。お客様にご迷惑をかけずに済み、私達にとっても経費の節約になります。しかし、最初に製品を分解する時は心が痛みます。」 Peter は笑顔で機器の横に立って言いました。「でもまあ、いつまでもくよくよしたりはしませんね。」

連続喫煙機とフロッピーディスク

ポータブルオーディオ製品にとって、日射、霜、気温といった自然の要素に晒される可能性は新たな課題を提起します。Bang & Olufsen は、一般家庭で使用されるテレビの品質検査を数十年に亘って続けてきましたが、ヘッドフォンや Bluetooth スピーカーは使用者によって使用方法も異なります。「私達もある程度は使用場所を想定しますが、人によってはスピーカーをビーチへ持って行ったり、マウンテンバイクに乗ってヘッドフォンを使用したりします」と Peter は言います。「適切な検査方法を設計できるように、これらの行動について学ぶことが重要です。新しいスピーカーの開発段階で、それらがどのように使用されるかを把握したいと考えています。プールの近くで使用されるなら、湿度や気温の高さ、日射、塩素ガスを考慮する必要があり、すべての素材と部品がこうした要素に耐えられるようにしなければなりません。」 ほとんどはハイテクの検査機器を使用していますが、80年代初頭に BBC テレビ用に開発された、フロッピーディスク使用のコンピュータがノスタルジアを添えています。Bang & Olufsen の拷問室では、旧式の 64K マイクロコンピュータがエアシリンダーを制御し、ボタンを押す指の動きをシミュレートします。その動きは、あたかも無限に繰り返されるように見えます。「スピーカーのボタンが100万回押されるとすれば、ボタンがそれに耐えられるかどうかをテストしなければなりません。だからと言って、私達がここに座って、ボタンを延々と押し続けるようなことはしません。」 綿密な信頼性評価の工程ではあらゆる手段を講じ、難解な検討手段もすべて試しているばかりか、使用したタバコの本数は数えきれません。用途に適した黄色のフィルムで覆われた Perspex ガラスチャンバーには、フィルターのないタバコに自動着火するディスペンサーが取り付けられ、検査空間にタバコの煙を送り込みます。1日当たり120本のタバコを使用する工程を時には10日間続け、退色と性能を検査します。 Peter が取り出した黒い箱の中には、様々な表面検査を経て割れたり、キズや裂けめが入ったりしたぼろぼろのヘッドフォンが収められていました。また、場末のバーで数十年もトム・ウェイツの曲だけを流し続けていたような臭いのする Beolit スピーカーのキャビネットは、スピーカー保護のためのフォームパッドがあった場所に星形のニコチン汚れが残っていました。

B&O 100 years emblem

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