Vol.3

映画やテレビ、舞台などの音楽をはじめ、さまざまなクリエイターとのコラボレーションなどでも活躍する阿部さん。最近ではNHKの連続テレビ小説『らんまん』の音楽を手がけたことでも話題となりました。2023年5月から6月にかけてKarimoku Commons Tokyoで開催されたバング＆オルフセンのアーカイブ展「The B&O Design – From the Present to the Past –」の際には、展覧会オリジナル曲も作曲。会場ではこの曲のほか、阿部さんの最新アルバム「HOUSE」（歌手・武田カオリさんとの共作）がプレイリストとして流れ、心地よい音色が訪れた人たちを和ませていました。

この展覧会は「Beosound A5」の日本発売に合わせて開催されたもの。シンプルで温かみのある木の家具が並ぶ会場には、「Beosound A5」や「Beosound A9」などのスピーカーが随所に配置されていました。実際にその空間を体感した阿部さんは、「音がこれだけ良くて、かつ空間全体にまんべんなく行き渡っているというのがすごく心地よいですね。僕のように音楽に専門に携わっている立場の人間からしても、すごく贅沢な空間と感じます」と話します。

音楽を作ることだけでなく、聴くことがとにかく好き。そんな阿部さんは、普段からとにかくいろんな音楽を聴いているそうです。「僕自身がクラシックを学ぶところから出発しているので、作曲上すごく考え抜かれて構築された音の世界というのが好きです。一方で、遠くから聴こえてくるお祭りの音などにも惹かれます」という阿部さん。高音質な環境で音楽を聴くことも大好きだけれど、実は完璧な環境を求めているわけではない、とも話してくれました。

「アンプから何から一式揃えたオーディオルームで的確な場所に座って聴く、マニアみたいな聴き方もあるけれど、僕自身はもうちょっと自由に、生活の空間の中に音楽があるような聴き方がいいと思っています。オーディオのない時代には、家で音楽を聴くためには楽器を演奏するしか方法がなかった。『Beosound A5』のようなスピーカーで音楽を聴くことは、その時代の音楽と人の関係とどこか重なっているように感じるのです」

阿部さんが音楽を担当したドラマ「京都人の密かな愉しみ」のエンディングテーマ「京都慕情」が評判となった歌手・武田カオリさんと、10年以上の歳月をかけて共作した最新アルバム「HOUSE」